女性なら知っておきたい! 「遺伝性乳がん」とは?

乳がん患者の5~10%程度が遺伝性

2013年に女優のアンジェリーナ・ジョリーが「遺伝性乳がん」の予防を目的に、両乳房の切除手術を受けたニュースが話題になりました。

日本では、まだこのような手術はあまりおこなわれていませんが、これまで耳にすることが少なくあまり知られた存在ではなかった「遺伝性乳がん」について知るとてもよい機会となりました。

しかしながら、乳房切除のことばかりが報道されていて、「遺伝性乳がん」がどういうものなのかは詳しく報道されることはありませんでした。

調べていくと、乳がんのうち5~10%程度、つまり乳がん患者の10~20人に1人は遺伝性ということがわかりました。

アンジェリーナ・ジョリーは遺伝性乳がんだった

アンジェリーナ・ジョリーは、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と診断されていました。

これはBRCAという、通常はがんを抑制する働きをもつ遺伝子の変異によるもので、この変異した遺伝子をもっている人は、もっていない女性に比べて乳がんの生涯発症リスクが40~85%といわれています。

アンジェリーナ・ジョリーの場合は、お母さんが乳がん、おばさんは卵巣がんで亡くなっていて、さらに彼女が将来乳がんになる可能性は87%という検査結果だったために手術に踏み切ったと報道されていました。

自分の遺伝性乳がんに対するリスクを知りましょう

もし遺伝子の変異があっても、必ず乳がんや卵巣がんになるわけではないので、いたずらに怖がらないことが大切で、自分のリスクを知っておくことはとても重要なことです。

自治体がおこなう乳がん検診は、通常40歳以降が対象だけど、家族に乳がんや卵巣がんになったことがある人がいる場合には、18歳ごろから定期的自己検診を行う事が望ましいそうです。

また、病院によっては遺伝性乳がん・卵巣がんのカウンセリング外来もあるとのことで、とくに家族に乳がん・卵巣がんの人がいる場合は受けることが望ましいです。

日本乳癌学会の診療ガイドラインでは、下の表の項目に一つでも当てはまる場合には、遺伝性乳がんの可能性を考慮して、専門的に遺伝性乳がんに関する詳細な評価を行う診療の流れが示されています。

・若年発症乳がん(50歳以下が目安。浸潤性(しんじゅんせい)および非浸潤性乳管がんを含む)
・トリプルネガティブ(ER陰性,PgR陰性,HER2陰性)乳がん
・‌同一患者における2つの原発乳がん(両側性あるいは同側の明らかに別の複数の原発がんを含む)
・年齢にかかわらず以下の乳がん患者
  1)50歳以下の乳がんに罹患(りかん)した近親者(第1~3度近親者)が1人以上
  2)上皮性卵巣がんに罹患した近親者が1人以上
  3)乳がんおよび/あるいは膵(すい)がんの近親者が2人以上
・乳がんと以下の1つ以上の悪性疾患(特に若年発症)を併発している家族がいる乳がん患者:膵がん,前立腺がん,肉腫,副腎皮質がん,脳腫瘍,子宮内膜がん,白血病/リンパ腫,甲状腺がん,皮膚症状,大頭症,消化管の過誤腫,びまん性胃がん
・卵巣がん/卵管がん/原発性腹膜がん
・男性乳がん

日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン

http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q05/

乳がんの早期発見が治療への近道

乳がんの遺伝子検査には健康保険は適用されず、しかも高額となっています。

そのため一般の方は、アンジェリーナ・ジョリーのように検査を受けるのは、難しいかもしれません。

でも、適切なタイミングで検診を受ければ乳がんの早期発見は不可能ではありません。

がん家系でないからと安心は禁物で、最近では30歳代をはじめ、70歳以上の乳がんも増えてきています。

遺伝が疑われる人も、そうでない人もぜひ定期的な検診を心がけてみてください。

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